いじめ克服体験談いじめに加担せず、優しく話を聞いてあげて

高校生の時、グループ内でいじめがありました。一人の子がいじめの主犯格で、その他の子は、ただ私といじめっ子の話を聞いて笑っているだけでした。一言もなく、私をかばって助けてくれることはありませんでした。
大人になって何十年経っても心の傷として残っています。いまだに、大きな後悔と恨みで頭がいっぱいになる時があるんです。学校に無理していく必要はなかった、親に早く知らせて学校を休むべきだった。そして相手のことは一生許せない、それでもいいと。

でも大人になった今、世の中には色んな事情を抱えて苦しんで、それでも何ともない顔をして仕事をする人や、必死に笑顔でいる人が沢山いることがわかりました。それを思うと、いじめっ子だってそういう人達と同じ思いをしていたのだと思います。振り返ると、笑顔が少なかったとか、家庭環境は過干渉の親の元で辛そうだったとか、思い当たる点があるんです。
その時気づいたんです。どうしたらこの世からいじめを無くせるか。加害者となっている人達の声を聞いてあげなきゃ、根本は解決しないんだと。

もしも、「あの子の事無視しない?」と言われたら、「どうしたの?いつもと違うよ、元気ないじゃん」「イライラする事でもあったの?」「辛いことあったら聞くよ、なんでも話して」と優しい言葉で返してください。やるか、やらないかの判断なんていらないんです。いじめっ子の話を聞いてあげて下さい。「やめよう」なんて怖くて言えないと思います。でも人を気遣う言葉は言えるはずなんです。
面倒と思いつつ、いじめに加担するのはやめてください。一呼吸おいて、冷静に考えてください。自分の良心が痛むことは苦しくないのか、自分は後悔しないのか、今さえ自分が助かればそれでいいのか。いじめっ子にすぐに反応しなくていいんです。上手くかわして、すぐに両親に相談してください。まだ引き返せるんです。自分の良心を守ってください。それは自分を大切にすることでもあります。

とても勇気のいることだと思います。でも皆でいじめっ子に声をかければ、いじめることで辛さを紛らわすことをやめると思うのです。こちらに向いてくれるはずなんです。それが被害者を救う大きな一手になります。
人は、冷たい環境に身を置けば、心が壊れます。でも、温かい環境にいれば、心が再生します。優しさでいじめっ子を囲ってあげてください。
加担する恐怖に苦しむのではなく、優しさで人が変わっていく様を見続けて下さい。プラスの連鎖で人を救いましょう。

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