いじめ克服体験談

「第39回少年の主張全国大会」受賞作品

「第39回少年の主張全国大会」で、最高賞にあたる内閣総理大臣賞を受賞した、燕中等教育学校2年生 平澤幸芽さんの作品です。

『仲間を守る一言』

新潟県立燕中等教育学校2年 平澤 幸芽

「Aちゃんをはぶろうよ。」

もし、友達にこう言われたら、あなたは本当の自分の意見が言えますか。私は言えませんでした。だから私は、この主張をします。かつてのAちゃんみたいな人が、少しでも減ることを願って。

「Aちゃんをはぶろうよ。」

仲の良い友達から、突然言われた一言だった。私には、Aちゃんを嫌う理由がなかったから、頭の中が疑問だらけだった。「昨日まで仲良くしていたのに、何でいきなり?」しかし、その疑問は口に出せないまま、なんとなくうなずくだけで、のどの奥に沈んでいった。

次の日から、身近な友達の全員がAちゃんを無視し始めた。Aちゃんが近づいてくると離れ、Aちゃんの話を遮るように誰かが話を始め、Aちゃんをわざと一人にした。だんだんとAちゃんから笑顔が消え、やがて近づいてこなくなった。周りの友達は笑っていた。

私は「こんなことはしてはいけない」、「こんなのいじめだ」と分かっていた。目の前で繰り返される残酷な光景に対して、分かってはいたが、声が出なかった。これを言ってしまったらどうなるのだろうか。Aちゃんともう一度仲良くなれるのだろうか。それとも、次は自分がはぶられるのだろうか。自分がはぶられることは、絶対に嫌だった。だから私は周りの人に合わせて、意味もなく笑った。自分の意見が言えないまま、Aちゃんを避け続けた。

それからというもの、友達という存在が、「楽しい人」から「疲れる人」へと変わっていった。もう一緒にいるのも疲れてしまい、面倒だった。けれど、嫌われたくないから、とりあえず何でも「うん」と答えた。私はそんな「友達」が嫌いだった。しかし、もっと嫌いな人がいた。それは、自分自身だった。はっきりと「良い」も「悪い」も言えない自分が大嫌いだった。ある夜、ノートに真っ赤な文字で、「大っ嫌い、大嫌っい。死ね死ね死ね・・・」と書き殴った。そのページの一番上に、はっきりと「自分なんか」と書いていた。

そんな中、インターネットを開き、画面に目を通していると、私はある言葉と出会った。「過去と他人は変えられないが、未来と自分は変えられる。」

それを見た瞬間、ドキッとした。まるで私の今の状況を理解して、私のために書かれているかのような言葉だったからだ。その時、やっと気づくことができた。自分が変わらなければならないということを。私が言うべき言葉は、「うん」という、「自分を守るための言葉」ではなく、「こんなのいじめだよ。もうやめよ!」という、「大切な仲間を守るための言葉」だったということを。

「ねぇ、もう、やめよ。」次の日、あの言葉に背中を押され、勇気を出して、私は友達に伝えた。「・・・うん。」少しの間を置いて、友達は私の言葉を受け止めてくれた。そして、みんなでAちゃんに謝った。

6月、県内の中学2年生がいじめを苦にして、自らの命を絶った。同い年の子が、私が想像もできないくらいの、痛みや苦しみを抱えて命を絶ったのであろうことにショックを受けた。それと同時に、もしAちゃんを避け続けていたとしたらと考えたとき、私は恐ろしい気持ちになった。誰も、彼を守ってあげられなかったのだろうか。周囲の人たちはみな私のように、救いの一言を飲み込んでしまったのだろうか。「やめようよ。」その一言は、命が失われてからでは遅い。いじめは人を死に追いやる。だからこそ、周囲の態度は、それに対して責任をもたなければならないと思う。

私は、今では仲の良い友達にも「良い」「悪い」と自分の思いを伝えている。安易に同調することだけが、友達ではないからだ。それから、「なんでもいい」という言葉はあまり使わないようにしている。「なんでもいい」は自分の意見を言うことを放棄していることであり、無責任な態度だからだ。今でも時々、「〇〇ちゃんってうざくない?」そんな言葉を耳にする。でも私は、「そんなことないと思うよ」と、責任をもって、自分の意見を言うようにしている。その一言が、周りの大切な仲間を守る一言になるからだ。

投稿いただいた体験談

新潟県いじめ対策ポータルにお寄せいただいた、いじめに関する体験談をご紹介します。

あれは忘れもしない中一の3学期。

今考えればもっと周りの大人に相談すれば良かった事ですが、当時は皆私の敵にみえてました。
いつも一緒にいたAは結構口が軽くすぐに何でもバラすので私は彼女には一切陰口は言わなかった。でも、どうしても我慢できないことがあってクラスメイトBの陰口をAに言ってしまったんです。そしたら案の定、翌々日…集団無視が始まりました。同じ学年の部活仲間にも話は回ったのでしょう、もちろん無視。先輩が気づかないようにされていたので辛かったです。
もう学校には行きたくなかったけどここで諦めるのも馬鹿馬鹿しいし一日だけ休んで母から担任へ聞いてもらいました。しかし、大した事ではないから気にしないで学校へ来なさい(笑)と。正直、呆れたし何も相談しないと決めました。次の日クラスへ入った途端、静かになる教室…胸が締め付けられてとにかく苦しかった。なんであの時言ってしまったんだろう…しばらくはこれしか考えられませんでした。

しかし、それも長くは続かずすぐにクラス替えがあり元のクラスメイトとは全く一緒にならずに済みました。新しい友達とこれから楽しく過ごそうと決めていたし、何でも話せる友達もできました。一連の出来事も思いきって話しました。そしたら、全く知らなかった。そういう時は他のクラスに助けを求めてもいいんだよ!そうじゃなきゃ潰れちゃう!と叱ってくれた友達。今はあの時の出来事があったからこそ大好きな友達には優しくできるし大切にしたいと思えます。ちなみに、Aやいじめの先頭に立ってた人は卒業するときには孤立してました。

とにかく助けを求めること。
信用出来なかったら、電話相談すること。
辛い事はずっと続かないです。
辛い思いをさせた人は必ず辛い思いをします。
だから、思いきって相談する勇気を持って欲しいです。

独りじゃないよ!

【いじめられているこどもたちへ伝えてください】

いまは逃げる場所や相談できるところが沢山あります。
学校の先生は中立を保たないといけないので、頼りにはできないと思ってください。
ただし、居場所を求めて素行の悪いグループに入ってはいけません。
女の子の場合、男性にすがってはいけません。

いじめられていても、勉強や趣味を一生懸命やるのはあなたの自由です!
沢山勉強をすると、悪い人に出逢う確率が減ります。
あとはマナーや身だしなみに気をつけ、気づかいを身につけましょう。
そうすると、進学先、就職先、友達の選択が広がり、良い人間関係につながります。

いじめは記録に残しましょう。やられっぱなしは終わりにしましょう。

自分が明らかに悪かった場合のいじめは相手に謝りましょう

あなたは断ることができる
よくないことに誘われたり、頼まれたりしてイヤだなと思ったら、断っていいんです。
わざと自分の苦手なことに誘ってくる人もいます。
どっちみち陰口になるので、関わるだけ無駄です。

大人はいじめっ子と話し合ったり、いじめられる側が変わることでいじめを解決させようとします。
でもそれはドラマやマンガの世界。まずは、逃げましょう。

いじめられる側が我慢するばかりの社会はなかなか変わりません。
でも、いじめっ子はこちらが我慢するほど偉い相手なのでしょうか?違いますよね。

大人社会にもいじめはありますが、理由のはっきりしたものが多いです。
また、良くない人(集団)ならば、裏での評価はやはり悪く、
こっそり自分の味方をしてくれる人も出てきます。
いじめのひどい会社はネット社会なのである程度分かります。

学校より大人社会の方が生きやすいです。
だけど、あまり勉強をしていない人の集まる職場は、子供社会のままなので選ばないで。

最後に‥‥
【いじめられているということは、いじめてくるような人と仲間にならずに済んでいる】ということです。
距離が置けるなんてむしろ幸運です!

関わったら実はいい人だったなんて、そんなことはありません。
いじめグループは、大人になればどのみち仲間割れし解散します。
あなたは、関わらずに済んでいるのです。

【支援者、保護者の方へ】

こどもたちは、いじめを思い出したくなかったり、
いじめの状況をうまく伝えられなかったり、
そもそもそれを伝える概念がなかったりで、黙っている場合が多いです。

子供をよく観察し、安全な逃げ場所を探してあげて下さい。

また、いじめられていると将来の想像ができなく、
目標が持てず、生きるのが精一杯になります。
選択肢が沢山あることを伝えてあげて下さい。

そして、何よりも親の情報収集が大事です。
探せば力になってくれる人が沢山います。
親も同時にいじめられるケースもありますので、自分も守りつつ、どんどん外に出て下さい。
(私は親が忙しく、人に相談する概念のない人だったので)

いまはSNSというある種のいじめ拡散ツールがあります。
保護者に見えにくい分、注意してあげてください。

いじめに立ち向かわなくていいんです。逃げたっていいんです。

私は中学時代いじめられていました。悪口以上のこともされたりしました。そのころは学校が嫌で嫌でたまりませんでした。親に心配かけるのも嫌だったので我慢して学校へ通っていました。毎日朝のテレビ番組の運勢コーナーを見ては、自分の星座の順位に一喜一憂しながら自分を奮い立たせていました。
私自身大人しく、いじめに対して明確に反抗できませんでした。しかし悔しい気持ちもあり、どうにかしてこの状況から抜け出したい、何とかしたいと思っていました。
口げんかや腕っぷしではかなわないが、何かいじめる子たちより優位に立てるものはないかと考えたとき、それは勉強でした。また、勉強して上の高校へ進学すればいじめた連中とも会わなくてすむ、今の状況も終わると思いました。それ以来より上の高校へ行こうといじめられた悔しさを勉強にぶつけました。
当然授業中もからかわれたりしましたがその悔しさもさらに勉強にぶつけました。その甲斐あってか定期テストで学年一番になることが出来ました。学校の先生も褒めてくれて自分に自信がつきました。
その後も勉強に励み自分に自信がついてくると言動や態度もしっかりとしてくるのかいじめは自然とおさまっていきました。そして勉強のおかげで地区最上位の高校に合格することができました。
私自身いじめに立ち向かったわけではなく逃げました。幸い逃げた先が勉強だったため自信やいろいろなものを手に入れることができました。
いじめに悩んでいる人へ。いじめに立ち向かわなくていいんです。逃げたっていいんです。でも逃げる先は自分を打ち込めるものの方がいいです。その結果、最終的には「逃げる」が「勝ち」に繋がります。希望を捨てないでください。

自分が自分を好きになれるかどうか

私は幼稚園から高校まで、どの学校に通っているときもいじめに遭いました。
約十五年間です。あまりにも多くいじめを経験したので、他人といることを楽しいと思えなくなりました。容易に人を好きになれなくなりました。
今でも楽しいという感覚と、好きという感覚を封じ込めて生きています。周りの同年代の子たちが、豊かな友人関係、幸せな恋愛関係を築けているのが、理解できません。なぜそこまで人間関係を楽しめるのでしょうか?
昔はここまで人に対して臆病ではなかったのです。いじめを受けてからです。
加害者は人にこのような影響を与えていて、何も責任をとりません。謝罪もしません。
事の重大さを理解せず、のうのうと人生を生きている加害者たち。
人に対する友情や愛情を持つことができず、加害者に対する憎しみばかりがある、自分が嫌です…。
自分が前向きに生きることができるかどうかは、自分が自分を好きになれるかどうかにかかっていると思います。それにより自尊感情や自己肯定感を持てると思います。
まだ完全に立ち直ったわけではないですが、少ない経験から言うと、何か夢中になれるものを見つけて、他人からそれを褒めてもらう、認めてもらう。その積み重ねが大切になってくるのではないかと思います。

どの世代の人も当事者意識をもたないとなくならない

今から10年ほど前ですが、高校生のときにいじめを受けました。最初は些細な意地悪からでした。テレビなどでいじめのドラマなどを見ていましたが、まさか自分に起きるとは思っていませんでした。それでも特に気にしないようにしていたら、どんどんいじめがエスカレートしました。やり返そうとも思いましたが、その時間ももったいないと思い、やりませんでした。それよりも、夢のために勉強を続けていたので気が紛れたのかもしれません。でも、日々ひどくなる嫌がらせにノイローゼになりそうでした。どうやってそれがやめたのか今となっては思い出せませんが、半年ほどでなくなっていったような気がします。それでもとても傷つきましたし、寮生活だったのでかなりしんどかったです。家族よりもそばにいてくれた友人達のお陰で乗りきれたと思います。
本当に怖いのはこのあとでした。私に意地悪をしていた子が今度は周りの子達から仲間外れにされ始めて、私のグループに来るようになりました。それは、私よりも私の友達目当てなのは明らかでした。でも、私の友達は彼女が私に意地悪をしていたのも知っていたので、一見その子を受け入れているように見えて扱いは雑で素っ気ないものでした。ある日、掃除中にごみ捨てに行くとその子も私たちについてきました。私は嫌だなーと思いながらも一緒に行きごみ捨てをして帰ろうとすると、友達がその子をごみ捨て場の倉庫に閉じ込めました。友達は数分間閉じ込めたあと何事もなかったかのように教室に向かって歩き出しました。私はその場で立ち尽くしてしまいましたが、いじめは誰にでも起きるもので、それが被害側か加害側かは紙一枚ほどの薄さしかなく、いつ入れ替わっても不思議ではないことというのを目の当たりにしました。
大人でもわざと他人を貶めたり、傷つけたり、仲間外れにする人もいます。いじめがあるのは子供の社会だけではなくて、社会全体で、どの世代の人も当事者意識を持たないとなくならないと思います。できたらこれからの子達には誰かをわざと傷つける経験も傷つけられる経験もすることなく成長してほしいです。

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