こどもの話を真摯に聴く

2025年5月30日

深めよう 絆 にいがた県民会議 事務局

学校で先生に相談したり、家庭で親に悩みを打ち明けたりしているこどもがいる一方で、悩みを誰にも相談できず、自分一人で抱え込んでしまっているこどももいます。

こどもたちが安心して悩みを相談したり、助けを求めたりできるようにするには、どうしたらよいのでしょうか。その手がかりを得ることができましたので、紹介します。

5月22日に「令和7年度 深めよう絆にいがた県民会議 第一回総会」が開催されました。総会後には、早稲田大学客員教授の伊佐貢一様から「人と関わるスキルを育てる~ソーシャルスキル+を意識して」という演題で講演していただきました。講演の中で伊佐様は、「真摯にこどもの話を聴くことが、こどもたちのヘルプシーキングスキル(助けを求めるスキル)を引き出す。」とおっしゃいました。
伊佐様が講演の中で示された「話を聴くスキル」を紹介します。

1 最後まで聴こうと自分に言い聞かせる
   ①こどもの話を最後まで聴く
   ②話題を変えない、話題を取らない
   ③話の途中で道徳的、倫理的判断を口にしない
   ④こどもの感情を否定しない
   ⑤時間の圧力をかけない
2 反射させながら聴く(うなずき、相槌など)
3 体を使って聴く
4 こどもの身振りをよく見る
5 話を受け入れ感謝する
6 共感を示す
7 話題に関連した質問をする
8 自己開示の返報性を使う(自分が自己開示すると相手も情報を明かしてくれる)

スマホを操作しながら話を聴いてはいないでしょうか。こどもが話している途中で「それは違うよ。だって…」と大人が自分の考えを話し始めてはいないでしょうか。このような態度で話を聴かれたら、こどもは二度と悩みを打ち明けたり、相談したりしなくなってしまいます。
話を最後まで聴くことは、簡単なようで難しい。改めてそのことに気付かされました。

6月は「いじめ見逃しゼロ強調月間」です。私たち大人がこどもの話を真摯に聴くことは、こどもの苦しさを減らすことにつながります。学校や家庭で、「話を聴くスキル」を意識して、真摯にこどもの話を聴くことを実践しましょう。