「私の言葉が友達に伝えたこと」

2025年1月30日

深めよう 絆 にいがた県民会議 事務局

突然ですが、「白」と聞いたら皆さんはどのような色合いを思い浮かべるでしょうか。
新年のきりりとした雰囲気とともにこの質問をされたら、雪のような真っ白を思い浮かべる人がたくさんいるかもしれません。
フランスの画家ユトリロが、「白の時代」と呼ばれる多くの油彩画において、微妙に異なる白色を多用しているように、「白」と聞くと、人それぞれ少しずつ違ったニュアンスの白色を思い浮かべるのではないでしょうか。同じように、私たちは同じ言葉を使っていても、相手と別のイメージを思い浮かべて会話をしていることがありそうです。
小学生の頃、これまで仲良くしてくれた感謝と応援の意味をこめて、転校する友人に「ライバルだと思っていた。」と手紙を書いたら、「ライバルなんて言うな。」と返事をもらって驚いたことがあります。その友人はそこに敵対心や冷たさをイメージしたのかもしれません。この関係性にどんな名前がふさわしかったのか、その友人が示すことはありませんでしたが、今でも時々考えることがあります。このことがあっても、その友人との関係は変わらず(と思っているのは、もしかしたら私だけかもしれませんが)、やりとりはその後も長く続きました。この経験は、私に言葉のやり取りにひそむあいまいさや誤解の可能性を思い出させてくれます。
これが実際の会話だったら、「ライバルなんて言うな。」に続けて、どのようなやりとりが考えられるでしょう。例えば「なんでだめなの?」 と返したら、会話は行き詰まり、もしかしたら関係もぎくしゃくとしたものになるかもしれません。「ライバルって思われるのは嫌だった?でも○○さんがいたから、自分も頑張らなきゃって思えたんだ。」と伝えることができたら、もう少し会話を続けられるかもしれません。
自分の発する言葉が、相手に何を伝えるかというのは、あまりにも当たり前すぎる問いにも思えますが、たまには立ち止まって考えるのもよいかもしれません。どのような言葉を使ったとしても、そこに自分の思いや考えが表現されていることに気づきます。気軽なおしゃべりで、そこまで深く考えることはないかもしれません。それでも、決めつけたりおとしめたりするような言葉は避け、柔らかい言葉を、相手との間にそっと差し出すことができたらいいですね。