児童生徒の皆さんへ新型コロナウイルスに関連したいじめの防止について詳細を見る

心の余裕といじめ

2019年12月20日

小澤いずみ(シンガーソングライター・個人サポーター)

学校、職場、家庭、人と人が過ごす空間には、必ず衝突が起きる。意見を交換し、建設的な話し合いをし、折り合いを見つけ、物事を片付けていくこと、感情を処理していくことがベストではあるが、そこには“心の余裕”がないとかなり難しい。いじめはどの集団でも起こる可能性がある。なぜか。そこには心の余裕がないからだと考えている。心の余裕は簡単に作られるものではなく、無条件の愛情をもらうこと、悩みがあった時にそれを打ち明けられる人がいること、安全だと感じ自由を行使できる空間があること、栄養のある食事、充分な睡眠時間、理性を養う為の教養など、沢山の条件が揃うことで、生まれるものである。そして、その心の余裕は、傷ついてしまった人に手を差し伸べる勇気にもなる。

“いじめは無くならない”と言う人がいる。果たしてそうだろうか。“どうしていじめが起きるのか”、“なぜ人を傷つけるのか”という問いの答えを出していくことは、人と人が接し合い、生きていくためには、とても重要なことではないのか。人には性格がある。成育歴も皆異なる。考え方も様々になるのは当然のことだ。劣っている人を否定して何が悪いんだと自分自身を正当化する大人も、あの子は話していても噛み合わないから仲良くしたくないと言う子供も、人を排他するという観点は同じである。では、先に述べた“心の余裕”があったらどうだろう。“あの人のせいで、仕事に差し支えがあるけれども、否定するのは可哀想だ。教えてあげよう”“あの子と話をしていて噛み合わないけれど、仲間外れにするのは可哀想だ”と思えるのではないだろうか。“可哀想だ”と思えるか思えないかで、かなり変わってくるのではないかと思う。また、相手の立場に立って考えたとき、嫌な気持ちになるから“しない”“見過ごせない”と思えるようになるのではないだろうか。相手の立場に立つこと、思いやりを持つこと、それは大人も子供も、決して簡単なことではない。“優しくしなきゃだめでしょ!”といって変わるものではない。そこに心の余裕が作られる沢山の条件が揃っているかどうか、考えてみて欲しい。

だけど、“難しい。そんなことできない。心の余裕なんてもてない”と思うだろう。その通りだと思う。理想論であって現実的に実現させるのは難しい。しかし、あなたは、他ならぬあなたであり、それは代わりのいない唯一無二の存在だ。この地球上には同じ人間がふたりとしていない。それは、あなたにしかできないことが必ずあるということだ。人一人のパワーは思っているより強く、たくましい。いじめられて、心も体もぜーんぶ疲れた!!となっていたら、休むことも大切だ。けれど命を絶つことは勿体無い。一人一人が、輝くダイヤモンドの原石、私たちは生きている限りチャンスはある。何年も暗く闇のトンネルの中にいたとしても、唯一無二の自分の存在を、磨いていってほしい。

小澤いずみさんからのメッセージカードはこちら